キラルなプラズモニックナノ構造の作製

物質にキラリティーを与えることで、立体ディスプレイや情報記録素子、メタマテリアル、キラル光触媒、キラルセンサなどへの応用が可能になる。我々は、円偏光のみを不斉源としたキラルプラズモニックナノ構造の作製を初めて実現した。金のナノ直方体を酸化チタン基板に載せ、右または左円偏光を照射すると、円偏光の左右に応じ、電場が直方体の特定の角に局在化して、誘電体である酸化鉛がその角にプラズモン誘起電荷分離(PICS)によって析出する。誘電体はプラズモニック粒子の電子振動を促進するため、こうして得たナノ構造体は、キラリティーを示すようになる。こうしたボトムアップ作製法は、キラル材料の大規模作製に適した方法である。