第3世代法の開発とタンパク質正準分子軌道計算

量子化学計算の標準法である「ハイブリッド密度汎関数法による正準分子軌道計算」を、どのような計算機システムでも効率的に実施できる第3世代法アルゴリズムを開発しました。現在、実装を進めており、自動計算法の開発、GPUへの対応等も行っています。

第3世代法を使用して、β-D-グルコースをD-グルコノ-1,5-ラクトンへ酸化する触媒であるグルコースオキシダーゼや、A型インフルエンザウイルスが持つ水素イオンを選択的に通過させるM2タンパク質の正準分子軌道計算を実施しています。

グルコースオキシダーゼのFAD周り5Å切り出しモデルのHOMO・LUMO(左)とFAD表面の静電ポテンシャル分布(右)
グルコースオキシダーゼのFAD周り5Å切り出しモデルのHOMO・LUMO(左)とFAD表面の静電ポテンシャル分布(右)
M2タンパク質のHis37-Trp41まわりの電子状態。Hisの4種類のプロトン付加状態における差異を示す。
M2タンパク質のHis37-Trp41まわりの電子状態。Hisの4種類のプロトン付加状態における差異を示す。